タブラを習うにあたって

タブラで表現される多種のリズムは、ボルと呼ばれる音節によって表されています。タブラ専門の言語は、語学を勉強するのと似ています。まずはABCを習うことから始まり、アルファベットの次に言葉、そして文、詩、物語といったふうにです。タブラには15から20個のボルがあると言われています。誰に指示したのか、もしくはどこのガラーナ(学校)で習ったかによってボルの数は変わりますが。ガラーナはヒンディー語の家という意味である「ガ」という言葉が語源です。タブラを学ぶ過程は一般の言語を学ぶよりもはるかに長い時間がかかります。なぜならボルを言えるようになるだけではなく、それらの音を実際にタブラによって表現出来るように、正しい叩き方を学ばなくてはならないからです。基本の音さえ、その美しさを出すためには何時間もの集中と練習が必要とされていることから、タブラを学ぶ過程はまったくもって愛の労働と言えるでしょう。音を生み出すにあたり、音に吹き込まれる清澄さと豊かさの程度は非常に大きく、最終的に演奏している者の性質を定義します。それをよく表している例は、ウスタド・ザキア・フセインによって創り出される音と、彼の父親であり師匠である著名なウスタド・アラ・ラカによって創り出される音の違いです。この二人がまったく同じボルと曲を演奏したとしても、そこには驚くほどに違った、なおかつ素晴らしい音が聴き取れます。

ウスタド・ザキア・フセインはこのように言っています。「タブラの言語は二つの観念に基づいて作られました。一つはタブラが出す音の忠実な表現。聞こえる通りにその音を真似して口で表現するというもの。もう一つは、声に出された音があまりにも心地よい調べで、とても感動的であったことから、それをタブラによって表現しようとしたもの。タブラではその通りの音を創り出すことは無理であっても、口で表現するときにはとても詩的に聞こえるものです。(例えば、カタックダンスの伝統から受け継いだ音などがそれです。)」

伝統的なタブラのソロ演奏には、主に四つの構成があります。構成のほとんどがとても複雑に展開しているため、ソロ演奏によって奏でられるのが一番適切です。しかし、まれに他の楽器と演奏することもあります。
  • ペシュカー(見せる・贈呈する)はソロ演奏の初めや、伴奏のゆっくりした部分で演奏されます。単純でありつつ多彩なボルの組み合わせは、曲の基本的な原則に沿いながら即興で演奏されたりと様々に展開していきます。
  • カイダ(規則・限度)はタブラの曲の構成の種類の中で一番精密なものです。「ディ・ナ・ギ・ナ」などの分かりやすいボルの組み合わせが、曲の最後に使われる構造になっています。もっと正確に言いますと、カイダでは主旋律の後に奏でられる全ての変奏曲は、その主旋律にて用いられたボルだけを使うことが必要とされています。それから全ての変奏曲はその前の節に関係している(韻を踏む)必要があります。カイダの練習は、演奏する者の手指と創造力を強化することから、タブラを学ぶ生徒が重点的に取り組むべきだと言われています。
  • ガトゥ(創作)はとても美しい型の構成です。ある一定の詩的な要素が師匠から生徒へと受け継がれ、その多くが一定のガラーナ(学校)や師匠の好みを反映しています。奥の深い物語を再現出来るタブラという楽器の能力を強調する沢山のガトゥがあります。(例えば、トゥクラ、パラン、チャクラダー、ベドゥム、フォーマイシなどです。)もう一つのガトゥの特徴は、ソロのしきたりの中では、まず口で表現されることが多いです。そしてタブラによってそれが演奏されます。
  • レラ(ほとばしる・溢れ出る)はタブラのソロ演奏のフィナーレや、伴奏の最後の部分で演奏されることが多いです。沢山のレラの曲はアクセントを骨組みとしたもので始まり、次第にそれが速く流れるようなボルで満たされ、滑らかでありつつ活気のあるリズムを創り出します。変化はそこから発展していきます。一般的なレラの特徴は、風や雨、溢れる水など自然界に見られる液体の音、もしくは動く汽車や走る馬など身近に聞こえる音を上手に真似ることです。


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